最終章…寝れない。夜中のテンション妄想偏

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………………………… ……寝れない 男は考える。 電気を消して布団に入ってから もうどれだけの時間が経っただろうか …明日も早い。寝なければ そう思えば思うほどに寝れないのだ 時計の音だけが鳴り響く狭い家 1度気になるとバカに五月蝿く聞こえる 寝ないといけない。寝ないといけない。 …寝れない 段々腹が立ってきた バッと布団から飛び出て電気をつけた 睨みつけるように時計を確認 男は 床に散らかっている ダンボール、ホコリの被ったギターや服を足でどかして ビニール袋をガサガサと漁り カップラーメンを手に取って、湯を沸かしはじめた 男の得意料理 慣れた手つきでスープの元を取り出し かやくを入れてお湯を入れる 線より少し下。 むっ、5分待つタイプか。 いつからこんな生活を続けているのだろう そして、いつまでそれが続くのだろう 夜になるとそんな事ばかりが頭に浮かぶ 彼女が欲しい。 そろそろいい歳だ 結婚して子供が欲しい。 お金が欲しい。 毎朝早起きして仕事をする理由が欲しい。 男はカップラーメンを 待つ時間より早く食べ終え汁まで飲み干すと 電気を消し また布団に潜り込んだ …… 「はあぁーーーーー」 うめき声にも似た大きなため息を1つ また男は考える 小さい頃からの夢を叶えた人どれだけいるのだろうか 昔の自分が今の自分を見たら失望するだろうか きっと今頑張ってる事を辞めてしまうだろう 挑戦しようとしてる事を諦めてしまうだろう 納得だ。終着点がここなのだから。 このままでは終わらないぞ 男の中で何かがふつふつと湧き上がり暴走を始める 今に見ていろ 仕事だってやめてやる ギター1本持って夢を歌って有名になるんだ あの嫌な上司に辞表を叩きつけてやる 男は布団から出て 机の上のカップラーメン片付けて ペンをとり 鼻歌を歌いながら筆を走らせる 気分がいい、気分がいいぞ 驚き困る上司の顔が目に浮かぶ 有名になってモテモテになって金持ちになるんだ なんだか笑えてきた 薔薇色の未来を想像したらとても楽しい! はっはっはっはっはっピピピピピ ピピピピピピ 布団で目が覚めた 目覚まし時計を止め 背伸びをして、いつもの朝を迎えた 机にはカップラーメン ギターを足でどかし 男はいつものように仕事へと出たかけた
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