1394人が本棚に入れています
本棚に追加
「ったぁ……。都ちゃん、これ結構痛いね」
頭を押さえながら彩音が言うと、「でしょー!?」と都が激しく同意した。
「もうちょっと加減を覚えた方がいいですよ、猪熊さん」
「なんで俺が文句言われんだよ！」
ぶつくさ言っている猪熊を見て、彩音と都はクスクスと笑う。
猪熊がここぞというところで的確な意見をくれるのは、仕事だけではないんだなと思った。
自分で意識をしていた訳ではなかったが、時間に追われる彰を見て、心配になると同時に寂しさも感じていたのだろう。
猪熊の言うとおり、もう少し素直に自分の気持ちを伝えて、もっと一緒にいる時間を増やしてもいいのかもしれない。
「佐京さん、今日行っちゃいましょうね！」
都が早速とばかりにそう言ってきたので、彩音は目を大きく見開く。
「今日!?」
「思い立ったが吉日って言うじゃないですか！」
都の勢いに押され、そうしようかと思ってふと気付いた。
最初のコメントを投稿しよう！