as~恋に落ちる音~(3) ─迷う─

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「彩音だって仕事で疲れてるのに、僕ばかり甘えてるなって思ってた。でも、アフレコの日はどうしても動けなくなって……何もできなくなる」  それだけ神経をすり減らしているのだろう。 「最初に比べればマシになったけど、それは現場での対応で、やっぱり家に戻った直後は彩音も知っての通り、屍状態。それでも次の日に仕事へ行けるのは、彩音がいてくれるから」  いるだけで力になれるならいくらでもいる、と思う。 「でも、彩音の負担になってないかってずっと思ってた。本当はもっと頻繁に来てほしいけど、週一でも絶対に彩音はここへ来てくれるから、それ以上は贅沢言えないかなって」 「……贅沢じゃないよ」  お互いに遠慮していた。  こうやって気持ちを伝えあうことがどれだけ大切なことか、彩音はつくづく思い知らされる。
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