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「彩音だって仕事で疲れてるのに、僕ばかり甘えてるなって思ってた。でも、アフレコの日はどうしても動けなくなって……何もできなくなる」
それだけ神経をすり減らしているのだろう。
「最初に比べればマシになったけど、それは現場での対応で、やっぱり家に戻った直後は彩音も知っての通り、屍状態。それでも次の日に仕事へ行けるのは、彩音がいてくれるから」
いるだけで力になれるならいくらでもいる、と思う。
「でも、彩音の負担になってないかってずっと思ってた。本当はもっと頻繁に来てほしいけど、週一でも絶対に彩音はここへ来てくれるから、それ以上は贅沢言えないかなって」
「……贅沢じゃないよ」
お互いに遠慮していた。
こうやって気持ちを伝えあうことがどれだけ大切なことか、彩音はつくづく思い知らされる。
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