as~恋に落ちる音~(3) ─迷う─

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「彰は人がいると気を張っちゃうから、できるだけ一人がいいんじゃないかって思ってた。でも、もっと来てよかったんだね」 「当たり前でしょ? 何のために合鍵渡したと思ってるの?」 「そうだよね……」  付き合っているといっても、合鍵を渡されたからといっても、どこまで踏み込んでいいのかわからなかった。  でも、わからなければ素直に聞けばよかったのだし、毎日でも入り浸って彰の様子を窺ってもよかった。  例え気を遣われたとしても、彰がキツイならきっとわかる。 「じゃ、これからはできるだけ来るようにするよ」  そう言って笑うと、彰は彩音の額に口づけ、彩音に負けない笑みを向けた。 「それなら、彩音も寂しくないよね」 「っ!」
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