as~恋に落ちる音~(3) ─迷う─

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 終わった話を再び持ち出され、彩音は赤くなった自分の頬を隠すように顔を背ける。  彰は、そんな彩音を再び両腕で抱きしめた。 「来た時にいちいち帰るのが面倒になったら言って」 「帰るのが面倒?」  首を傾げると、彰はパンツのポケットから携帯を取り出し、彩音に見せる。 「ここだと彩音の荷物入れるとちょっと狭いし。もっと広い部屋を探す」 「え……」 「彩音の会社に近いとこだと、相場どれくらいなのかな……」  嬉々とした顔でネット検索を始める彰を見て、彩音は思わぬ展開に戸惑いつつも何だか楽しくなってきた。今日ここへ来てよかったと、しみじみ感じる。 「猪熊さんと都ちゃんに感謝」  彰には聞こえないようこっそりと呟き、彩音は物件探しに夢中になる彰を幸せな気持ちで見つめていた。
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