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「うわー、俺の声、こんな風になってるんですね」
彩音の隣に腰かけ、画面を覗き込んだ。
「今は編集ソフトも充実してますし、ご自分で収録される方もいらっしゃるくらいなので、波形なんて珍しくないんじゃ?」
すると、此花は勢いよく首を横に振る。
「いや、そういうの全然ダメなんですよ。携帯とかも必要最低限の機能しか使えなくて」
「必要最低限? 電話とかメールとか?」
「そんな感じですね。あとは必要に迫られて地図アプリは何とか。あ、さすがにネットで調べものくらいはできますよ?」
ゲームもほとんどやらず、今時の若者が使いこなすアプリの類もよくわからないと言う此花に、彩音は意外だとクスクス笑みを漏らした。
「そういうの、何でもわかりそうな雰囲気なのに」
「ってよく言われるんですけどねぇ~。自分にとってあまり必要じゃないと覚えないんですよ。あ、メッセージアプリはやってるんですけど、これは割と便利だなって」
そう言いながら此花は携帯を取り出すと、画面を操作した後で彩音に渡す。
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