as~恋に落ちる音~(3) ─迷う─

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 まぁ、隠されれば見たくなるものだし、一瞬だったのだから……と思い、ふと気が付いた。  この一連の流れからすると、此花はその一瞬で彰が誰とメッセージを交わしていたのかを知ったのではないか。  彩音の表情を動きを読んだように、此花が後を続けた。 「相手は佐京さんでした。CDドラマ収録の後の飲み会でも、白嶺さんはとにかく佐京さんにはめちゃくちゃ心を許してる感じがしたし、帰りも俺たちを避けるように佐京さんを連れて消えた」 「……」  これは、完全に付き合っていることがバレているような気がする。  此花は話せばわかってくれるような気がしたし、バレているのならもう隠しておく必要もないと思って彩音が打ち明けようとすると、此花は想定外のことを言い出した。 「白嶺さん、佐京さんにかなり懐いてますよね。はっきり言えば好意を持ってる。白嶺さんがあんなにグイグイいくタイプとは思ってなかったけど、アプローチかけてるんだなって思って」 「……はぁ」  思わず唖然とし、間の抜けた声を出してしまう。  此花は彩音を見て小さく笑み、そして艶っぽい表情を向けた。
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