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無事にリタコーを倒した八人は、テレポートでエブスタリ城下町に帰り、それぞれの戻るべき場所へと帰って行った。
ジーマとマイは戦いの結果をチィトに報告するため、チィトの部屋に行く。
「お、戻ってきたか。で、どうだった?」
部屋に着くなり、結果を聞いてくるチィト。
「勝ったよ」
そう言ってジーマはフィギュアとなったリタコーを見せた。
「よし。これであと一人だけだな。お前ら、よく頑張ったな」
「チィトのおかげだよ。チィトが力を抜いて戦うってことを教えてくれなきゃ勝てなかったんだ」
「ふっ、やはり俺は天才ということか」
「そうだね。で、次の戦いに向けて準備といこうか」
「あれ? なんかさらっと流されたような……。まぁいっか。ニュースを見てたんだが、ゴッドって奴はかなり強いらしいぞ。あらゆるパーティがワンパンで倒されてるらしい」
「それは恐ろしいね。たしかそいつは世界をカクカクにする術は使ってないんだよね?」
「あぁ。強いから使う必要がないのか、もともとその術すら持っていないのかどっちかだな」
「今回も厳しい戦いになりそうだね」
「そうだな。だが、一つ言えることは……」
「ん?」
「ようやく俺の出番が来たって事だああああ!! うおおおお!!!」
「嬉しそうだね」
「あはは」
「嬉しいに決まってるだろ? あんな訳の分からん世界のせいで俺はパーティからはずされたんだからな。勇者なのに! 勇者なのにだぞ!? 俺は強ぇ奴と戦いたくて仕方ねぇんだよ! だから次の戦いはじっくりと楽しませてもらうからな!」
「まあ僕も普通の世界での戦いなら魔法が使えるようになって動く頻度が減るから嬉しいよ」
「私も殴られるのはもうごめんだから嬉しい」
彼らは思った。
もうカクカク世界でのバトルはしたくないと。
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