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四、屋根のうえ
アトリエの屋根のうえで、彼女は孝を待っていた。
どこを眺めるともなくぼうっとした様子で、例の煙草をたしなんでいた。孝の影を見つけると、うれしそうに微笑んだ。
「上ってきなよ」
「どこから?」
「そこ」
立てかけてある梯子を指差して笑いかけると、彼女は歌を歌い始めた。
Nel cor piu non mi sento
brillar la gioventu;
cagion del mio tormento,
amor, sei colpa tu,
Mi pizzichi, mi stuzzichi,
mi pungichi, mi mastichi,
che cosa e qesto ahime?
pieta, pieta, pieta!
amore e un certo che,
che disperar mi fa!
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