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1 魔法使いとの出会い
「みんな消えればいいのに!どいつもこいつも鬱陶しいんだよ!!!」
気づけば、そう叫んで屋上から飛び降りていた。
一体何がどうなったんだ?どうして、私は飛び降りた?落ち着け。冷静になって思い出す。
あれは今から2時間くらい前。
私は私立高校に通っている2年生。勉強とスポーツで優れていて、校舎も大きくお金持ちの学校と言っても過言じゃない学校に通っている。
私は、これと言って何かに優れている生徒ではない。お金だけ持ってる落ちこぼれだ。
周りについていくのに必死で、友達は、私のお金目当てのやつばかりだ。つまり、本当の友達なんて存在しない。私はお金だけ持ってる、ただの生きる財布。お金がなくなったら、誰も寄ってこない。なんて単純で残酷なのかしら。
今日、父が経営する会社が倒産した。そして、私は自然と学校にいられなくなり、退学処分を告げられた。勿論、今までの私の周りにいた友達は、今までのことが嘘のように、綺麗に私を忘れたかのように…いいや、もともと存在すらしなかったのごとく、平然と私を無視した。この世界はシンプルでとっても冷たい。私の人生は一体何だったんだろう?悲しくて辛くて、気づけば、もともと住んでた高級マンションの屋上から、「みんな消えればいいのに!どいつもこいつも鬱陶しいんだよ!!!」
と叫びながら、飛び降りていた。
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