1 魔法使いとの出会い

2/5
前へ
/62ページ
次へ
あぁ、私の人生、短かったな。これで終わりなのかな?このまま死んだら、地獄に逝くんだろうな。きっと地獄に逝ったら、痛くて痛くて… 「生きてた頃が幸せだった」 って感じるんだろうな。…でも、生きるのも疲れた。もう、私は生きてる意味が無いんだろうし…。頼れる人は誰もいないし。お母さんは、私が5歳の時に亡くなってるし…。 本当に、私の人生って何だったんだ。 人は屋上から飛び降りただけで、簡単に死んじゃうし、刺されたら、死んじゃうこと多いし…。もう、私は助からないだろうな。だって、落ちる速さが、どんどん上がっていく。それに、見ず知らずの人間を助けてくれるほど、この世界は優しくない。一時は「飛び降り自殺」で世間で騒がれるかも知れないけど、皆忘れ行くものだ。やっぱり、私は死んで地獄に逝って罰を受けるしか無いんだよ。 「この世に未練はない。ばいばい」 びゅう 突然の突風。いやいや、突然すぎるだろ。私の飛び降りって、一直線に落ちれる程甘くないってことなのか?ちょっとちょっと、私の人生、厳しすぎません? 「ねぇ、まだ死なれちゃ困るんだよね」 又しても突然のことだった。声が聞こえてきた。なにこれ?誰かが私に話しかけてる幻聴?私、イカれすぎちゃってんの?例え幻聴だとしても、そんなこと、ありえないのに。 「死なれると、僕が困るんだよね。ごめんね」 「は?」 びゅうびゅうびゅう! 突然の突風、前のに比べ物にならないくらいの強すぎる突風。でも、凄く優しくて暖かい。 因みに、今の季節は真冬の12月、日付も言っちゃえば25日。世間ではクリスマスの飾りで盛り上がってます。 リーンゴーン でもって、今は22:00頃のようだ。 向かいのビルのデジタル時計が22:00頃をお知らせしていた。1時間置きにアラームが鳴る仕組みになっている。 こんな真冬の夜なのに、暖かい風…。どういうこと? ふんわり 何かに包まれた。又してもあったかい。体も心もじんわり芯からあったかくなっていく。 優しくて、心地よい。なんだろ?
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加