エビフライ・エフェクト

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 つまりは、非常に些細な事柄が要因でだんだん思いもよらぬ出来事が起きること、である。風が吹けば桶屋が儲かるみたいな話だ。  薫はたまたま見た映画でこの話を知っていたが、結構学術的な話だ。女の子の口から出るとは思わなかった。頭の良い子なんだな、と薫は思う。 「つまり、エビフライエフェクトとは連続するエビフライ効果が、私との遭遇をもたらす、という事です」 「…………」  これは笑うところなのだろうか。 「…………な、なんか言って下さいよ」  面白い子だ、と薫は初対面ながら思った。 ーー20年後 「ーーというのがお母さんのとの馴れ初めなんだ」 「へー、運命的だけどなんか……面白いね」 「……あらお父さん、エビフライ・エフェクトのお話ですか?」 「ああ、夕食がエビフライだったからふと思い出してなぁ」 「懐かしいですね」 「覚えているのか?」 「……今も忘れないですよ。お父さんとの馴れ初めですから」 「ふふ……じゃあ、私が生まれたのもえびふらいえふぇくとだね」 「はは、そうだな」  我が子を撫でながら薫はしみじみと感じた。      
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