エビフライ・エフェクト

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エビフライ・エフェクト

 ……どうも今朝から様子がおかしい。昼休み。教室でそう訝しむのは高校二年生、海老名薫である。  おかしいというのもーーーーエビフライばかりなのだ。エビフライばかりとはどういう事か。端的に言うとそのままである。  例えばーーーー朝食。それはエビフライであった。 「あれ、朝からエビフライ?」 「ええ、昨日安くて」  朝食にエビフライが出る。これはまあ珍しい事ではあるが別におかしな事ではない。母によるとエビが安かったらしい。珍しい事もあるもんだと思いながらも朝食を済ませ家を出た。  そして通学路の道中、何やら新しい店が建設中であった。 「……ん? なんか新しい店が出来るのか?」  何が出来るのだろう。薫はふと気になり見てみる。するとそこはーーーーエビフライ専門店であった。 「幾ら何でも的絞り過ぎじゃないのか……」  しかし良く良く考えると世の中には唐揚げ専門店が存在する。そう考えると不自然では無い……のだろう。まぁ、良い。薫は再び歩を進める。  駅前のファーストフード店。何やら新しいバーガーが出るらしく、新しい旗が立っていた。 「ん、新作か……エビフライバーガー?」     
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