第二部・宝玉奪還編

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第一話・暗殺未遂事件  サピエンティアの書庫で見つけたメモに書かれた研究所の在り処を掴むことに成功したハーネス。己の用件を済ませ、迎えに来たピエラと合流した。 「何だか久し振りだね、ハーネス殿」 「何を言っている?まだ一日振りだぞ」  とは言いつつ、心の中ではかなりの時間を一人で費やしていた気分だ。今ピエラを目の前にしているのもまるで昔のように懐かしく思えた。 「それで?何か新しいことは分かった?」 「あぁ。研究所の場所を絞り込むことに成功した」  ハーネスの言葉にピエラは驚きを禁じ得なかったようだ。ポカンとしているピエラに、ハーネスは先程見た地図のメモを見せた。 「昔の地図の本から出てきたメモだ。現在地も特定してある」 「このチェックが入ってるのは・・・」 「以前、ラルク殿と共に向かった研究所だ。今のグローリア国境付近だから間違いない」    確かに、二人が行った場所はそんなところだ。あそこにデルカスがいた。ことを考えれば、あそこも本拠地の一つだったということだろう。 「これから、この地図の一つ一つを潰していこうと思う」 「成る程・・・。これなら、ずっと楽にレガリアも見つけられそうだね」 「まずは、近いところから行くつもりだ」 「となると、シンビオシスかな・・・?」 「そうなるな。とりあえず、今日はこの国で休養を取ってからだな」 「うん。少し僕も疲れちゃった。宿、探そうか」  二人は明日から本格的に研究所探しを開始することとし、その日は宿を探した。もう日も暮れ始めている。
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