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男子からのプレゼントは仕分けが楽だ。
総じて、全てゴミだから。
積み上げられた段ボール、机もベッドも分解済み、生活感をまるで失った自分の部屋で一人、廃棄するものと引っ越し先に持っていくものの選抜をする。
私物を詰めた段ボールは全部で7つ。年相応の少女からしてみれば、かなり少量の荷であると言えよう。
うち6つはすでにガムテープで封を閉じている。最後の1つとなった段ボールの空きスペースと相談し、お別れ会でクラスのみんなから貰ったプレゼントを値踏みする。
女子からのプレゼントは微妙だ。
所詮小学生からのプレゼントだ。ほとんどが他愛のないものだが、中にはビーズで編んだキビタキのキーホルダーなど、捨てるには忍びないプレゼントも用意されていた。
最後に段ボールへと仕舞う予定である、木目調で2段重ねの宝石箱を手元に取り、膝の上へと持ち上げる。
私の大切な宝物たち。ハート形の小さな鍵を鍵穴に差し込み、右回りに一回転させると、カチリと心地よい解錠の音と共に宝石箱のふたが開く。
中には母親から譲り受けたイヤリングや指輪、塗ることは禁止されている口紅、縁日で買った安物のチョーカー、綺麗だが全く価値の無い鉱石などなど。
まだ空きスペースが無いわけでもない。しかし、宝石箱の収納スペースが有限である以上、自分が本当に気に入ったもの以外を入れるのは、なるべく避けたい。
もったいないが、やはりこのキビタキも、むき出しのゴミ袋へと放りこむ事にした。
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