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干支の13
1.たかがネズミ
「キャー!」女が突然大声をあげた。「なんだ、ネズミじゃないか。」男は冷静だった。部屋の中を二十センチ程の大きなネズミが横断して真っ暗な廊下に消えていった。「薄気味悪いよ。とっとと退治しておくれ。」女は顔をしかめて男に言った。「もう逃げたよ。それにたかがネズミの一匹や二匹どうって事ないさ。それより早く作戦通りに窓と出入り口の扉を外から施錠してあたかもここには誰も居ないと装うんだ。そしてほとぼりがさめた後ここからおさらばだ。」二人は手分けして窓と出入り口の扉を板と釘で入念に塞ぎ始めた。
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