魔法少女とマスコット

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「もうやめます」 「え」  魔法少女の呟きに、彼女の肩に乗っている生き物――魔法少女のマスコットである――が、ぎょっと目をむいた。いきなり何を言い出すのか。  さっきまで、いつものように見事に敵を倒し、いやあ今日もお疲れーという流れだったはずだ。  マスコットは今日の彼女の奮闘ぶりを褒めそやしていたところだった。  今日もよくやったな、とか、あのときはちょっと危なかったな、とか。  このプチ反省会は毎回恒例で、いつもなら、これからもがんばろうね、で終わる。  しかし今日返ってきた返事は「もうやめます」。  何か地雷を踏んでしまっただろうかと、マスコットはそろりと魔法少女の様子をうかがった。  少女はしばらく黙っていたが、ぷるぷると体を震わせたかと思うと、持っていた魔法少女御用達の素敵なステッキを地面にぶん投げた。マスコットは肩から転げ落ちた。 「もうやめてやる! 魔法少女なんてやめてやるー!」
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