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目が覚めると、既に9時を回っていた。
少しばかり、頭が痛む。
昨夜は職場の歓迎会だった。
大型小売店舗に勤務する。閉店は22時。
どっちでもいいか…と思ったが、二次会から参加した。
帰宅したのは、1時頃だと思う。
去る人、来る人。他人事ではない。
今の処、店から家は車で20分ほどの距離にあるが、いつまた、単身赴任を余儀なくされるかはわからない。
怠い…。
酒は強くはないので、付き合い程度。
余り呑みに行く機会もないから、偶に呑むと、身体がいつまでもフワフワしている感じがする。
妻と娘は既に出掛けてしまっていた。
水を一杯飲んで、食卓の上の本に目が止まった。
図書館の本。
「パパ、返して来てって頼んだよね」
一昨日、言われたんだった。
出勤前に行って来るか…。
仕事柄、平日は遅番勤務が多く、無論週末は出勤で家族と過ごせる時間は少ない。
それなりの努力はしているつもりではある。
小学四年になる娘。最近、些細な物言いが妻に似てきた気がする。
母娘の双子化を耳にするが、私が留守にしている日常。
徐々に刷り込まれているのかもしれない。
シャワーを浴び、そのまま出勤出来る服に着替えて、図書館へ向かった。
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