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しかし、あの交差点やコミック店で老婆や真帆に見せた積極性とは真逆に、
案外彼はシャイな性格なのだろうか。
ミナトの近況を交えた長い真帆のメールに返ってくるのは、
割と簡素な文面ばかり。
それどころか、こちらから促さなければ、真帆の投げた質問に対する答のみになることも、しばしばだ。
それでも、やり取りを繰り返していく内に、少しずつ彼という人も
見えてくる。
出身は山梨県で、真帆よりも二つ年上の25歳。
地元の高校を卒業して公務員になり、食べ歩きが好きなこと。
現にミナトを拾った日も、あの町にある古い支那そばを食べてみたくて
行ったこと。
カバンに付いているボン吉をくれた親友は漫画オタクで、彼が付き合っている彼女とも漫画のオフ会で知り合ったこと等々。
そして、久しぶりに電話で話をしたこの日、真帆は、その「オフ会」という
幹彦の言葉に思わず乗っていた。
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