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第三章 ほんのひと時…
それからその男性が…
男性「ここでよく来るんですか?」
私「えっ?」
男性「よくお見かけするんで…」
私「ええ、まぁ…」
私「もしかして、イスの方ですか?」
男性「そうそう!でもそれだけじゃないですよ!前に同時に同じ本取ろうとしましたよね?」
私「あ~!あの時の!」
男性「そうそう!」
一応、話しが一段落したところで…
私「さっきは図書カード、ありがとうございました。」
男性「どういたしまして…」
男性は少し微笑み、私も微笑みながら男性に一礼をして、その場をあとにした。
そして、男性はまた図書館の方に戻って行った。
それから2週間後、私は借りた本の返却を兼ねてまた図書館へ…
図書館へ入って、先に借りた本を返却してから、本を探しに行ったのだが…
前回の図書館行き以来、私は図書館であの男性を見かけると、軽く会釈をするようになった。
軽く会釈をするようになって、暫くしてからの事…
本を借りて図書館を出たところで、また後ろから、私を呼び止める声が聞こえてきた。
後ろを振り返ると、そこには…
あの男性が立っていた。
私「今日は図書カード落としてないですよね?」
男性「大丈夫!大丈夫!違うよ!違う!」
男性「ちょっと貴女と話しがしたいと思ったもんだから…」
私(まさか!何かの勧誘?違うよね?)
男性「あっ!今、何かの勧誘とか思ったんじゃない?」
私「いえ…そんな…ちょっと思いました。」
男性「今日は帰りの時間が一緒だったから、ちょっと話したいなぁ…と思ったんですよね。図書館の中では、話し出来ないし…」
私「確かに図書館の中では、話し出来ない雰囲気ですよね。話したらいけないって事はないのかもしれないけど…」
という事で、私と男性は、図書館の外で少し立ち話しをする事になった。
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