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第六章 村木さんと私
村木さんの手を見てみると、そこには一冊の本が…
村木「この本、僕が好きな作家の本の中で気に入ってる本なんだけど、のんさんはまだ読んだ事ないんじゃないかと思って…」
私「私に貸してくれるんですか?」
村木「うん。のんさんにも気に入ってもらえるといいんだけどなぁ。図書館の本じゃないから、のんさんが読んでから、僕に返してくれたらいいよ。」
私「いいんですか?村木さんありがとうございます。お借りしますね。」
と言って、私は村木さんから、一冊の本を借りる事に…
そして、村木さんから借りた本を読み終わって、図書館で村木さんに会えた時に、その本を村木さんに返した。
そしたら、また村木さんが同じ作家の別の本を貸してくれた。
しかも、まだ私が読んだ事がない本を…
私は大体一ヶ月に二冊のペースで、村木さんから本を借りていた。
そんな事が、村木さんと私の間で暫くの間続いた。
そして、ちょうど六冊目の本を借りて家でいつもの様に読んでいた時の事…
面白くて本を読み進めていると、途中のページの間に一枚の折りたたまれた便せんが挟まれていた。
その折りたたまれた便せんには、私の名前が書かれていた。
それは、村木さんが私宛に書いた手紙だった。
村木さんの手紙を見た私の心臓は、最高にドキドキしていた。
私は、本に挟まれていた私宛の手紙を、ひとまず挟まれていたページから取り出してみる事にした。
ひとまず本から取り出してみたものの、私宛の手紙だが、果たして手紙を開いて読んでいいものか…
村木さんの手紙には一体どんな事が書かれているのだろうか?
そんな事を考えているものだから、なかなか手紙を開く勇気が湧かない。
次回図書館で村木さんの顔を見た時に、私は一体どんな顔したらいいのだろうか?
いっその事、この手紙に気付かなかった事にしてしまおうか?
私の頭の中はそんな考えでいっぱいになってしまった。
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