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第七章 そして…
いや…待てよ。この便せんには、私が想像してるような事は、全く書かれてなくて、普通の他愛のない事が書かれてる可能性もあるのでは?
そうだ!きっとそうに決まってる!
思い切って開いてみよう。この便せんを…
そう思えてくると、段々と勇気が湧いてきた。
そして、勇気を振り絞り便せんを開いてみた。
すると、そこには…
のんさんへ
のんさんがこの手紙を読んでる頃には、僕は転勤先に移動してる頃だろう。
実は、のんさんに、この手紙を挟んだ本を渡した時には、既に転勤が決まっていたんだ。
のんさんにこの本を渡す時に、転勤になった事を話そうとも考えたんだけど…
直接、君の顔を見て話すと、僕は君を困らせてしまうような事を言ってしまいそうで…
それで、この手紙に託す事にしたんだ。
この手紙に、僕の携帯のメールアドレスと携帯番号を書いておくから、もし良かったら、君から僕に連絡してきてもらえたら嬉しい。
君ともっと話したい。
僕は君と知り合って、君の事もっとよく知りたいと思った。
僕のわがままだね。でもきいてもらえたら嬉しい。
じゃ、のんさん、僕はこの手紙をこの本に託して、荷造りの続きをするよ。
それから、この本はずっとのんさんに貸しておくよ。いや、のんさんにあげるよ。
僕の託した手紙と共に…
と、村木さんからの手紙には、このような文面と、村木さんの携帯のメールアドレスと携帯番号が書かれていた。
村木さんからの手紙を読んだ後、私の胸の高なりは最高だった。
暫くの間、心臓のドキドキは、なかなかおさまらなかった。
村木さん…
この後、村木さんと顔を合わせる事はなくて、少しホッとしたものの、一体私はどうしたらいいのだろうか。
村木さんはきっと、軽い気楽な気持ちで言ってるのかもしれない。
メールでやり取りするくらい、大した事ではないのかもしれない。友人としてだろうし…でも…
果たしてどうしたらいいものか…
私は暫く悩んでから決断した。
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