第八章 それから

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第八章 それから

私は… 悩んで結局、村木さんに、メールは送らない事に決めた。 メールくらい送ったとしても、大した事ではない事なのかもしれない。 でも… 私はこれ以上、先に進んではいけないような気がした。 いや、進んではいけない…と思ったのだ。 ただ…村木さんからの手紙を処分する事は、私にはどうしても出来なかった。 村木さんからもらった本も… 私は、村木さんからの手紙を、結局最後まで読めなかった、村木さんからもらった本の途中に、また挟み直して、私の部屋の机の引き出しの中にしまった。 それから… 10年後のある日の朝食の時の事… 理恵「今日はママはいつも通りの時間に帰って来るの?」 と、娘の理恵から聞かれた。 私「仕事帰りに買い物に寄って、いつも通りの時間頃に帰って来て、晩ご飯作っとくけど、どうしたの?」 理恵「いや…晩ご飯作らなくてもいいから、たまにはデートとかして来たらいいのに…と思ってさ。あの上司さんとはその後どうなの?」 私「もぉ〜!理恵ったらぁ〜母親に向かって何て事言ってるの〜ママをおちょくるんじゃないの!う〜ん…課長には、仕事終わった後、一緒に晩ご飯でも…と晩ご飯のお誘いは何回かあったけど、帰って娘の晩ご飯作らなくちゃなので…と丁重にお断りしたわよ〜」 理恵「え〜っ!上司さんとデートして来たらいいのに〜!上司さんって独身なんでしょ?」 私「ママの事より、理恵の方は、その後、彼氏君とはどうなの?けんかとかしてない?」 理恵「彼とけんかはしてないよ。彼との仲はママには…内緒〜!」 私「もぉ〜!理恵ったらぁ〜」 娘の理恵は、只今大学一年生。 娘が高校受験が無事に終わって、高校入学と同時に、私は旦那さんと正式に離婚をした。 元旦那さんに最初離婚話しを切り出された時は、離婚理由を聞いて、何をふざけた事言ってるのか?と反論して、離婚する事を拒否してたのだけど… 元旦那さんに、ある事を言われて、私はそれ以上に反論する事が出来なくて、離婚する事に納得して、元旦那さんに、娘の高校受験が、無事に終わるのを待ってもらってから、正式に離婚をした。 多感な時期で、娘がグレたりしなかった事がとてもありがたかった。 娘は私達が離婚する事に、納得してくれたものの、娘は父親の事、嫌いとかではなかったので、娘には申し訳ない事をしてしまったかもしれない。
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