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序幕 : 出逢い
ーーー白霧山には決して近付くな
村の人々が恐怖しながら口うるさく言っていたのを覚えている。
ーーーその姿は神々しくも、人格は非常に荒々しいそれはもう不気味な鬼神がいる
体は大きく、怒りを買うと人間を食って攫ってしまうだけで無く村に不幸が訪れると。
しかし、彼に魅入られると生涯幸せに暮らせるといった噂もあるが、村人が信じている噂は言うまでもなく前者の方だ。
鬼神の存在の有無は関係無く、そもそも白霧山は霧が濃く一度入ると二度と出ることが出来ないとされている程に神秘的且つ恐ろしい山なのである。
まあそのような話は全て私には関係のない事で居ても居なくても、鬼に食われようが魅入られようが何だって構わない。
この村に、白霧村に私の居場所など無いのだから。
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