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ーーーおい、さっさと立て
乱暴に腕を、髪を、衣服を掴まれたけれどその行為に対して私は無心だった。
捨てられたりはされ無かったものの、幼い時から扱いは酷く私個人の尊厳というものは当たり前かの如く全くもって無かった。
人として扱われない日々に慣れて来た頃、起こり得る全ての出来事への関心が糸がプツンと切れるかのように無くなったのを昨日の事のように覚えている。
ーーーお前は16になった、ようやくお前を手放せる
この村にも、もちろんそこに住む村人達にも関心が無かったが故に誰に言われたかなど細かい事は記憶に無かった。
ーーーお前は鬼神様の生贄となるのだから、怒りを買うような真似は絶対にするなよ
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