54人が本棚に入れています
本棚に追加
脱衣所に戻ると、妻が用意した下着とバスタオル、それに新しい白の長袖シャツと黒のスウェットが置いてあった。
「長袖って、暑くねーの?」
西は濡れた箇所を置いてあったバスタオルで拭きながら、手で顔を仰ぐ。
「夜は冷えるんだよ」
老いとは悲しいものだと、つくづく思う。
「てか下着、履かなくてよくね?」
ノーパン強要発言に驚き、そのまま西の股間に目がいく。
まさか履いていないのか、お前は。
その不安定な状態でコンビニに行ったのか、いや、まさかな。
「…はぁ? 何お前、裸族なの? それとも俺を変態に仕立て上げたいのか」
「いや、だってさー…まぁいいや」
なんとなく、西の言いたいことはわかる。
だが、核心には触れずグレーのボクサーパンツをしっかりと履き、脱衣所を出る。
「髪は乾かさないの?風邪引くだろ」
「別に、乾かしても意味ないだろ」
「いやぁ…パンツ履くよりは意味あると思うけど」
なかなか噛み合わない西との会話を続けながら、渋々髪を乾かした。
_
最初のコメントを投稿しよう!