アヤ

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ポーンと、別の階でエレベーターのドアが開く音がした。 合わさった唇を離し、西が右手で俺の肩を掴む。 「っぷはは! お前って本当サイテーな男だな!」 爆笑する西をよそに、とりあえず廊下の角を曲がってエレベーターの【↓】ボタンを押す。 「嫁さんとサヨナラしたら即これかよ。せめて廊下の角曲がってからにしろって、見られるだろ」 「別に見られたって、酔ったアホ2人の戯れだと思うだろ。普通は」 エレベーターに乗り込み、【8階】のボタンを押す。 痴漢防止用に付けられたエレベーター内のモニターを見て、ふと思い出す。 そういえば、インターホンのモニターの電源、切ってきたっけ? _
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