The MAN

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「あ、西くん」 再びリビングの扉から妻が顔を出す。 パックも髪のセットも終わって、最低限の身なりを整えている。 「おじゃましてます」 西が一向に手をつける気のないビールを開け、黙って飲み始める。 やっぱりぬるい。 冷蔵庫を開けてみたが、どうやらこれで最後らしい。 「あら、味どうだった? 炊き込みご飯」 「すごい美味しかったよ、さすがマコちゃんだね」 「ふふ、嬉しい! そういうの、かっちゃん絶対言ってくれないから」 「西、もうビールねぇや」 妻と西の会話に割って入ると、妻が呆れた顔をする。 「あんまり飲んで、また西くんに迷惑かけないでよ?」 「はは、大丈夫だよマコちゃん。かっちゃんは俺が責任持って介抱するし。かっちゃん、ワインとか日本酒でいいなら俺ん家にあるけど、どうする?」 酒があるなら行かない選択はない。 あぁ、風呂に入るタイミングを逃したな。 「ごめんね西くん、こんな旦那で。かっちゃんも西くん家に行くなら、吐いたりしないでよ?」 「ん、あぁ」 テレビからは笑い声が聞こえる。 録画していたドラマがいつの間にか終わって、バラエティ番組が始まっていた。 _
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