第7話 支配する男

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 その後何軒回っても、結果はどこも似たようなものだった。  結局わかったのは、水野江工業の絶大な影響力。  そして些細なことでも、下手なことを口走らせない圧倒的な支配力。  誰も水野江の悪事を語らない。  もう日も落ちた。これ以上回ったところで、徒労に終わるだろう。  最初に見た悪逆非道っぷりなら、付け入る隙はいくらでもあると踏んでいたが、どうやら甘かった目論見。思った以上に隙がない。  でもまあ部屋も借りたことだし、じっくりと長期戦に持ち込むとするか……。
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