不良リーダーとのお茶会 【不良リーダー×隊長】

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 チワワ隊長の方を向くと、目の前にはフォークで刺したチーズケーキ。 「ヒミって言って下さい」 「ヒミ」  よく出来ましたと、ケーキを差し出されたので、ぱくりと食べる。 「あ~、ズルイ!」  不良の頭はそう言って立ち上がると、自分もケーキを差し出して来た。俺は鳥の雛じゃねぇぞ。顔を仰け反らせる俺に、不良の頭は身を乗り出してくる。 「ボクも呼んでよ。ハイネだよ、アスカ。――灰音って呼んで」  ザザッ……。  呼んでと、彼の言葉が聞こえたと同時に、機械音のような音と共に視界がブレた。それは一瞬のことで、次はもうなんともなくて、なんだったんだろうと首を捻る。 「あ~ぁ、残念。そろそろ時間だ」  唐突な台詞に思考を止めて目を向けると、不良の頭は溜息を着いてドアを指差した。 「キミの狂戦士が迎えに来たよ」  バーサーカーとか穏やかじゃないんですが、そこって普通ナイトとか言わねぇ? お姫さまじゃねぇんだから、男に君の騎士とか変だけどさ。  そんな突っ込みを心の中で入れた瞬間、轟音と共にドアが吹っ飛んだ。
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