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気まずさを感じている所に新たなお客さんが。
珍しいと言うか、店内入って初めて見る男性客です。
常連なのか、さっさと猫用玩具の箱を漁って猫じゃらしを取り出しています。
「子猫と遊べますよ」
「骨が折れやすいですから抱っこは遠慮して下さい」
この時、二人の店員さんが口々に注意しながら鳥籠から子猫を出しました。
うわあ、時間見計らって来ているんだと男性客に感心&少し呆れましたが、子猫の可愛いさは分かります。でもリストカットもどきな傷を見せられていたので触りに行く勇気が起きない。
昔飼っていた犬は中型で、あそこまで小さくなく触れると壊しそうに見えるし。
猫じゃらしで非常に上手に子猫と遊ぶ男性客を見ると視線があったのでお互いに軽く会釈。
猫好きならではの雰囲気で、子猫も男性もお目々がキラキラ、とても楽しそう。
子猫も良く跳ねて飛んでと元気一杯だなと微笑ましく見ていると、足元に小さく鳴きながら三毛猫が。
撫でてと言った様子に、ゆっくりしゃがみ込み手を伸ばしました。
が、これが不味かったのです。子猫と遊ぶ男性客に背を向けたのが。
「あっ」
秘かな叫び声の後、背中に駆け上がって来る小さな気配と重み。
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