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第一話 異世界《ミッドガルニア》は突然に 04
「ゴホッ、ゴホッ」と咳込む中、ゆっくりと息をする間もなく、
――ズッドーン!
付近で大きな音……空気が大きく振動するほどの爆発音が轟いたのだ。
爆発音だけではない、人の悲鳴や叫び声が聞こえてくる。
「なっ、なに!?」
音がした方向へ顔を向けると、複数の小型木船が漂っていて、その船上で交戦していた。
古めかしい鎧を着て、手には剣や槍などの武器を手にした複数人が一人の青年に襲いかかる。だが、青年が持つ手斧で容赦無く切り伏せられていった。
非日常な……凄惨な光景だった。凶器で人が傷つけられ、切られた相手は無様に海へ落ちていく。
――逃げないと。
ひと目で危険な場面だと判断したが、ヒヨリの身体は硬直してしまい、その場から動けなかった。
続けざまに起こる異常な出来事に、理解や身体が追いついていないのだ。
「うわわわわわっ!」
人が海に落とされた。
手斧を持った青年が船から海を見下ろし、ヒヨリと視線が合った。
青年は動きやすさを重視してか身体の片面にしか防具を身に付けておらず、着ている布服は所々破れていた。そこから鍛えられた肉体が露出していた。
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