闇との遭遇

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「……それ、直接聞かないと答えないヤツ……」 「ああ~……。四朗が学校のことをよく話す子だったから、うっかりしてたわ。そうよね。思春期の男の子って、こっちから聞かない限り、普通は何も言わないわよね」  頬に手を当てて、溜息をつく百恵。零治も緩く首を振る。 「私も失念していたよ。三流と違って、あの子は小さなことにこだわらないタイプだ。ほんの些細な違いくらいじゃ、気にもかけないだろう」  そろって溜息をつく零治と百恵を交互に見て、一哉と二葉は苦笑する。 「それは仕方ないんじゃない?」 「あの双子は出来が良すぎるんだって」  そんなことより……と、その場の空気を変えるように、一哉は畳んだ新聞をパシンとテーブルに置いて、立ち上がった。 「俺たちも行くよ。五樹に何かあったら、学校から連絡が入るだろう。そうしたら、俺と二葉で学校に行けばいい」  果たして、葉山家の駐車場にたどり着いたところで、零治の持つスマホに学校側から連絡が入った。 『意識を失っているので、救急車で……』     
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