1。警視庁へ戻って半年後江草刑事に

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1。警視庁へ戻って半年後江草刑事に

神奈川県警での勤務を3年近く無事終え、今年6月から江草刑事は、警視庁へ戻った。かつての同僚に迎えられ、捜査一課での勤務がもう一度始まった。  ある朝も明けてない5時頃、昨夜遅くまでの勤務を終えて寝床にいた江草の携帯に緊急連絡が入り、慌てて車で現場へ向かった。 現場へ向かったのは、都内の谷越線の線路と歩道との境界の金網前に、一人の若い20代の男性が、血だらけで倒れていたという警視庁の捜査一課の同僚作部刑事よりの連絡からだった。まだ完全に夜が明けておらず少し月が輝いていた冬の5時30分頃だった。江草が、現場に着いたのは、5時35分頃で、もうすでに捜査官約10人と鑑識課の追崎班5人が立ち会っていた。江草は、いち早くに同僚の作部刑事を探し、いつもの黒コートが見え声を掛けた。「あ、作部さん、お疲れさんです。どうですか。ガイシャの様子は。」と。すると、作部刑事は、「あ、おはようございます。江草さん。ガイシャの様子は、鋭いとがったもので、下腹部と背中を数回刺されて出欠多量で、この金網前に倒れたものと聞いております。また、目撃者は、ここを朝方4時ごろ、バイクで通行中だった新聞配達の男性と聞いてます。」と言った。そして、江草刑事は、「ありがとう。」と伝え、現場に倒れていた被害者の男性の様子を見ると、かなりひどいもので、かなり怒りと逆恨みからか相当刺されている状況だった。それから、その現場に手を合わせた。
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