1。警視庁へ戻って半年後江草刑事に

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早速江草刑事は、同僚の作部刑事と共に勤務先の品川駅界隈のブテイック店へと向かった。ブテイック屋は、駅界隈の屋久島商店街の中にあり、なかなか派手な店看板であった。店へ入ると、30代の女性が1人で服を陳列していた。江草刑事は、昨日ここの店員の江花氏が、亡くなった旨を伝えた。 すると、この店員三崎 恭子は、大変驚いた様子で、「え、あの江花くんが。一昨日、いつもと変わるずいたのに。」と言った。江草刑事は、この店員から、江花氏の勤務状況や他の店員との交流関係を聞きこんでいた。そこからは有力な情報は、微塵も得られなかったが、彼が、私立大学時代に、美術学部デザイン部に入っていて大学時代からこの店で働いていたことが分かった。 そして、しばらく店内を江草刑事と作部刑事は、色々とみていた。店には色々な服が陳列されていて、江草刑事は、被害者の生前の活動の様子を想像していた。その後、車で作部刑事と彼の通っていた都内の私立江東大学へと向かった。  被害者江花氏が通っていた私立江東大学は、創立後約40年経ち荒川沿いにあり、5年前に改装され人文学部と美術学部と新しくなったキャンパスで囲まれていた。ふと、江草刑事は、先に歩いていく作部刑事に、一声かけた。「あ、作部さん。先に学務課へ向かっといていただけます。ちょっと車に忘れ物をしたので。」と。 そのまま、作部刑事は、小さくうなずいて先に向かって行った。実は、江草刑事は忘れ物はないのだがどうしても気がかりな校門からの長い階段に座り込んで亡くなった江花氏の写真や先ほど行ってきたブテイック屋から被害者江花氏の生前の様子を垣間見ようとした。
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