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結局、俺はパトカーに乗せられ、警察署で事情聴取を受けた。たっぷり三時間ほどだ。我ながらよくそんなに話せたなと思う。最後は真犯人が捕まったとかで解放されたが、犯人扱いされてたのか、俺。
その後署内でカツ丼を食べさせてもらい、帰路についた。本当に色々ありすぎて、帰るなり玄関で寝てしまった。
翌日。寝心地の悪さで目を覚ました。体勢が悪かったのか全身が痛いし、汗だくだ。起き上がると、上に掛けてあった毛布がずり落ちそうになったので慌てて掴む、がすぐ離す。なんで毛布なんか掛けてるんだよ。
「誰かに掛けられたのか……」
これが薄手の布団とかなら喜ぶところだったけどなぁ……。
毛布を隅に置き、玄関の扉を開けてポストから朝刊を取る。新聞の一面には、【連続女児誘拐事件 解決!】とでかでかと載っていた。
記事によると、犯人はセリングチャンネルという通販会社の社長で、なんでも商品にするために女児を誘拐していたのだという。倉庫からは大量の除湿機と女児が押収されたらしい。
要するに、俺の二人の妹はその被害者だったというわけだ。なんともよくわからん事件だが、何にせよ解決したならよかった。
……しかし、
「お兄ちゃん、おしっこー」
なぜシロはまだ家にいるんだ? 警察には事情を話しておいたんだがなぁ……。俺の力だけでもシロを家に返してやれる方法はないものだろうか。
横でシロがうーうー唸っている。それでもシロの身元を突き止める方法を考え続けていると、妹が階段を降りてきた。
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