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「お兄ちゃん起きた? ってちょっと! シロがトイレ行きたがってるじゃない! 早く行かせてあげてよ!」
言いながら、妹はシロをトイレに連れて行った。どうにも考え事をしていると集中してしまうなぁ……。
一人反省していると、突然ピンポーンという音が響いた。誰だこんな朝早くから……。
はーいと言いながら、玄関を開けると、若い女の人が立っていた。マジで誰だ。
「あの、田中と申しますけども、こちらにうちの子がお世話になっていると伺いまして……」
「田中さん……ですか?」
はて、うちの知り合いに田中さんなんていたかな、と首を傾げていると、トイレから妹二人組が出てきた。かと思うと、シロがこちらを見て叫んだ。
「あ、お母さん!」
「ホワイト!」
「いや、シロですけど」
「この子はホワイトです!」
どうやら田中さんはシロの本当のお母さんらしい。親子感動の再会、再びだ。
「ああ、よかった無事で……。あなたたちも、ありがとうね」
「いえいえ。僕も一緒にいれて楽しかったですし」
「またね、お兄ちゃん!」
「……いやもうほんと、お兄ちゃんのように慕ってるなんて」
「違うよ、お母さん? お兄ちゃんは、シロの本当のお兄ちゃん!」
その発言は駄目だ、シロ。
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