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榊side
「春ー20番のチームは準備して下さい」
待ってる間に初めのピリピリした雰囲気から和やかな雰囲気になった僕達。
ピリピリしてたのは主にリン君だけど、今では警戒心がなくなったみたいで目をキラキラさせながら蜜柑を食べている。先程の表情とは大違いだ。
これがツンデレ?なのだろうか。
「静空。もう一個」
「もう終わり!美味しくても1日6個って決めたでしょ!もう5個食べてるよ。それに僕達の順番来たよ。」
「………」
「ムスってしてもだめ!食後のデザート、リンちゃんが大好きな蜜柑のゼリー作ろうって思ったけど、わがまま言うんだったら無しだからね!」
「!わかった。やめる。静空…ごめんなさい。デザート、ゼリー食べたい」
「もう。…反省したなら許す!大きいの作ってあげるね。榊先輩、御門くんすみません。行きましょう。」
しゅん…としたリン君は静空君の返事をきいて目がキラキラしていた。
嬉しさが溢れてる。
「猫みたいっすね」
「ふふ。……」
可愛いね。彼には言えないけど身長も相まって小動物みたいだ。
「大丈夫だよ。ふふ…行こうか」
笑いすぎたのが悪かったのか、リン君は顔を真っ赤にして静空君にくっついてしまった。
耳まで赤くして…ここまで気を許してくれるなんて嬉しいな。
「俺の飼ってる猫に似てます。名前もリン様で似ててるし。リン様の擬人化、鷹岡先輩がしっくりきます。」
隣にいる凌太君が前にいるリン君に聞こえない声で言っていた。
「凌太君、猫飼ってるんだね。いいな。僕は猫アレルギーで飼えないから、なでなでしたいけどくしゃみでちゃうし、痒くなっちゃうんだよね。」
「それは辛いっすね。あ、鷹岡先輩どうっすか?人ですけど。」
「ふふ。言うねぇ、凌太君。そうだね。もう少し仲良くなったら撫でてみようかな。」
「頑張ってください。応援します。」
リン君と猫を題材にし話ながら、僕達はスタート地点へ向かって行った。
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