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遅い。
あとメンバーは2人来るはずなのに。
僕達だけだよ、ちゃんと揃ってないの。もう開会式も終わって1グループ始まってるんだけど。
どこのお偉いさんかな。
「リンちゃん。カリカリしないで。ほら、何か用事ができちゃったから遅いかもしれないよ。飴食べる?」
おろおろしながら、必死に僕を宥めようとする幼馴染で僕にとって大切な人。
クラスが違うから運良く同じグループになった。結構嬉しい。知ってる人がいると気が楽だ。
「…別に怒ってる訳じゃないよ。静空。でも、先輩なら、まぁ、百歩譲って仕方ないとしてもさ。もう1人は確実に1年でしょ。用事も何もないと思うけど。飴は食べる。」
「いや、まぁ……そうなんだけど。みかん味あったよ。」
しゅんとなる静空。…言い過ぎかな。でも、1年で遅刻はないと思う。それは静空も分かってること。
みかん味美味しい。
数分後
「ここが春ー20のグループかな。」
涼しげな顔で話しかけて来たのは、学園の誰もが知ってる親衛隊の総隊長。
「ごめんね。遅くなって。」
ニコニコしながら謝る先輩。
親衛隊の総隊長。あまりいい噂を聞かない。
静空を護れるよう前に立ち睨みつける。
「ふふ。遅れたのはごめんね。謝る。僕が嫌なのも分かる。大丈夫、何もしないから。この日だけ仲良くしてくれたら嬉しいな。」
困った様に少し笑う総隊長。
未だに信じる事は出来ない。が、
「リンちゃん。今日は歓迎会だよ。何もしないって言ってるし、今回はセキュリティが高いから大丈夫だよ。楽しもう?ね?」
静空は甘い。静空の可愛さは学園上位。総隊長の気が変わって襲われるかもしれないのに。
でも、静空がそう言うなら。そうしないと。
「分かりました。でも、静空に何かしたら許しませんから。」
総隊長に向けて言った。
静空からは「ありがとう。リンちゃん」と
総隊長からも「よろしく」と
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