まさかの終わりなんですけど

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紀子の住むマンションまでは、タクシーで10分程度。 カラオケの余韻に浸りながら二人で鼻歌を歌っていると、あっという間にタクシーは私たちをマンション前まで運んでくれていた。 そして私は、紀子の優しさに甘えて本当に家にお邪魔させてもらったわけだけど。 すでに寝ていた杉崎は、眠そうな目を擦りながらこんな深夜に何事かと起きてきて。 「そういうことだから、しばらく凛子はウチに泊まるからね」 一通りの事情を説明したのち、紀子が杉崎にそう言うと、まだまだ寝ぼけた様子ではあったけど。 杉崎は私の状況を理解してくれたのか、ここにしばらく泊まらせてもらうことをすぐに了承してくれた。 まぁ、事情が事情だけに嫌でもOKするしかないと思ったのかもしれないけど。 特に嫌な顔もせずに快く迎え入れてくれたことは、本当にありがたいと思えた。 翌朝、あの声で目を覚ますまでは……。
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