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「おみ君、ちょっと待って。ママと手繋いで。危ないから。」
ぼくのママはそう言って、自宅から保育園までの距離を歩く2歳のぼくに向かって心配の言葉を投げかけ、ぼくの右手を掴んだ。
保育園は自宅の真後ろにあり、大人の足では5分とかからない距離にある。
しかし、2歳のぼくが歩けるようになったのはつい2ヶ月前の事で、ぼくの歩きでは到底5分では辿り着くことは出来ない。
自宅から保育園までの道は、数は少ないとはいえ我が子を保育園に連れてくる保護者が運転する自動車や保育園の近所に住んでいる住人が運転する車が通り、中学生や高校生の自転車も行き交いぼくのよちよち歩きでは、保育園に辿り着くまでには危険な事がたくさんあった。
ママはぼくを抱っこして保育園に連れて行きたいのだが、歩くことを覚えたぼくは自分の足で歩くことに楽しさを感じている。
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