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「ドラゴンとの戦い方なんぞ知るか!指示など出せる筈がないだろう!」
もしもドラゴンとの空戦方法を研究している自衛官が居たら、脳外科か心療内科に連行されているだろう。
「俺はしがない自衛官だ。何が悲しくてドラゴンに対峙せにゃならんのだ!TACでもMATでも連れてこい!」
「奴等でも、三分間しか戦えない宇宙人が居ないと無理ですって!」
端から聞いていると漫才のようだが、会話している本人達は至って真面目である。
この通話、付近の自衛隊や機動隊、米軍までキャッチしているのだが良いのだろうか。
「隊長、ドラゴンが大陸に降りて行きます!」
「おっ、航続距離は短いのかな?ならばまだ落とされないように出来るのだが」
スペックで劣ろうとも、航続距離である程度は補う事は可能である。
それは日本の誇る零式艦上戦闘機がスピットファイアやモスキートを駆逐出来た事が証明している。
「隊長、隊長、あれ見て下さい!」
「大陸が……消えていく!」
ドラゴンを全て収容した浮遊大陸は、端の方から消滅していった。
「こんなの、どう報告すりゃいいんだよ……」
大陸が消えた跡を眺め、山口は小さく呟いた。
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