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「こちら山口、もうすぐターゲットが視認出来る筈だ。淵田、源田、油断するなよ」
「こちら源田、了解です」
「淵田も了解。しかし、正気ですかねぇ」
皇居上空に巨大な大陸が浮遊している。そんな通報を受けた航空自衛隊は、百里基地から二機のF4-EJを護衛にしたRF-4Eを飛び立たせた。
RF-4EはF4-E戦闘機の偵察型で、戦闘力は皆無である。
「東京上空に空飛ぶ大陸なんて、アニメの見すぎでしょ。上層部もよくそんな通報を信じましたね」
「複数の通報があったらしいからな。空飛ぶ大陸ならばドラゴンくらい居るかもしれん。護衛をしっかりと頼むぞ」
淵田のぼやきに半分冗談で返す山口。しかし、世間ではそれを「フラグを立てる」と言う。
「隊長、余計な事は言わない方が良かったのでは?現実になりそうですよ?」
源田が指差した先には、どう見ても飛行機やヘリコプターではない飛行物体……いや、飛行生物の姿が。
「……俺の機には武装が無いから、後は任せた。源田、淵田、健闘を祈る。」
「ちょっ、隊長!任務放棄するおつもりですか!」
「対ドラゴンの空戦方法なんて習ってないですよ!指示を下さい!」
逃げ出そうとする山口を、何とか引き留めようとする源田と淵田。
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