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ガンッという鈍い音。
真っ暗な路地に響く呻き声。
「もッ、ゆるしッ…かはっ」
「だめ」
足元で許しを乞う血まみれの男を氷のように凍てついた眼差しで見下ろす。
「ね、今度あの子に近づこうもんなら…日本語なら流石に分かるよね?そこまで馬鹿じゃないよなぁ?」
汚いアスファルトに横たわるスーツをグリグリと踏みにじりながら、星を閉じ込めた瞳を曇らせ溜め息を吐いた。
「あの子がいなきゃ俺が自分に靡くとでも思ったのかな。あの女にも後でお仕置きしてやんなきゃ。
それにしても…あーぁ、来る前に片付けようと思ってたのに見られちゃった。
…嫌われちゃったらやだなぁ」
end.
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