ミッドナイトブルー

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「ありがとう!きみのおかげだよ!これでもう6本目…やっぱりきみは幸運の女神だ!」 ツッコミどころが多いぞ。落ち着け、よし。ひとつひとついこう。 まず何故俺のおかげなのか。俺は別に当たり付きアイスばかり陳列しているわけではないし、当たりかどうかも包装を開けるまで誰にも分からない。よって当たったのは偶然です。 ハイ、ひとつQED。 あと6本目って、どんだけアイス食ってんだこいつ…当たりが出たらもう一本だから、単純計算で12本?当たってない分も含めたら多分もっとだろうな。 まぁ好きな人はそれくらい食うかもしんないけど、何せスパンが短すぎる。 このアイスの人最近毎週来てたもんなぁ。 あと一応確認しておくが、俺の性別は男だ。そして人間だ。 女神ではない。 例えだってのは分かるけども。 「きみがいるときだけだよ。この当たりが出るのは」 …他の日もやっぱり買ってたのか。お腹壊すよ。あとそろそろ手を離して欲しい。 今はお客さんはそんなにいないけど、手汗かいてきちゃったし…。 アイスの人はより一層手の力を強めると真剣な眼差しで言った。 「また来週、来ても良いだろうか」 …勝手に来ればいいんじゃないだろうか。 しかしそんな真っ直ぐな眼差しで言われては、無下に出来ない。 「お、お待ちしております…」 俺がそう言うと彼は満面の笑みで頷き、爽やかに去っていった。 あぁ、折角当たってたのにもう一本渡すの忘れてた…。 そんなに当たりが嬉しかったのか。 やっぱり深夜は中々個性的な人が多いな。
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