ミッドナイトブルー

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本当にこの時間帯は中々個性の強めな人が多い(当社比)。 今度はどんな人だって? レジを打っている俺を、目の前で肩肘ついて熱っぽい瞳で凝視してくるサラリーマンだ。スーツ着てるから多分そうだろう。 このグレーのスーツを身に纏った一見紳士的な男性は、恐らくこの辺りの会社で働いているのだろう。 大体時計の針が天井を指す頃にこのコンビニに現れ、栄養ドリンクやら晩飯であろう弁当やらを買っていく。 見かけるのは俺のシフトの関係もあって週に二回か三回くらいだが、それでもほぼ毎日来てるみたいだ。いつもこんな時間まで残業してるんだとしたらすげーブラックだな…。 歳は30代前半くらいだろうか。きりっとした男前って感じで、全体的に細身なのに二の腕の当たりが太いから鍛えられている気がする。 ボクシングとかやってんのかな。 こんな不摂生な生活してたらメタボにでもなりそうなもんだけどなぁ、だから鍛えてんのかも。 「良かったぁー、今日は会えたね。一昨日も来たけどシフト入ってなかったみたいだから寂しかったよ!」 「はあ…」 何故だかこのグレースーツの紳士(仮)は、レジの担当が俺だと必ずこのように口説いてくるのだ。これは他のバイトにも確認した確かな情報で、こんなに絡まれるのはどうやら俺だけらしい。からかい甲斐があるのかな。意味が分からない。 こんなときに限って後ろも列がつかえてきてるし、いい加減にしてほしい…。
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