137人が本棚に入れています
本棚に追加
「いっつも頑張ってるよね!君に会うと元気になるよ。出来ればもっと会いたいんだけど、そろそろ連絡先とか教えてくれない?」
「あの、お客様、申し訳ありませんが…!」
もうはっきり注意してやろうとしたその時、グレースーツ(もうそう呼ぶことにする)の後ろからスッと背の高い外国人が出てきて、グレースーツに向かって何やら英語で話し始めた。
は、早い…何言ってんだか全っ然分からない。
俺だって一応英語は得意科目だったんだが、ネイティブの会話って本当聞き取れないな…。一体何だったんだ今までの英語教育は!
というかこの外国人…よく見ると、いやよく見なくてもアイスだ!当たり棒の人だ!
この人英語も喋れるんだな。かっけぇ。何かずるい。
突然英語で話しかけられたグレースーツも一体何を言われているのか理解できないらしく、おどおどと慌てた視線で俺に助けを求めてきた。
やめてくれ。俺も分からない。
でもその人日本語話せますよー、と内心で呟く。
遂にいたたまれなくなったのか俺がおつりを渡すとグレースーツはそそくさと出ていった。
とにかく解放された…良かった。
アイスはもしかして俺を助けてくれたのかな?
もうアイスって呼ぶことにする。何かルイスって名前あるじゃん、それっぽいし。
「あの、ありがとうございました」
と俺が礼を述べると、
「全然?俺もうっとおしいと思ってたし」
と、明るく返される。
やっぱり日本語喋れるんだよなぁ。
「変なやつも多いから気を付けてね。じゃ、また」
と俺に笑いかけ、アイスは爽やかに去っていった。
あれ?今日はアイス買わないんだ?
というか、何も買っていかなかったなぁ。
何しに来たんだろう。
最初のコメントを投稿しよう!