ミッドナイトブルー

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「いっつも頑張ってるよね!君に会うと元気になるよ。出来ればもっと会いたいんだけど、そろそろ連絡先とか教えてくれない?」 「あの、お客様、申し訳ありませんが…!」 もうはっきり注意してやろうとしたその時、グレースーツ(もうそう呼ぶことにする)の後ろからスッと背の高い外国人が出てきて、グレースーツに向かって何やら英語で話し始めた。 は、早い…何言ってんだか全っ然分からない。 俺だって一応英語は得意科目だったんだが、ネイティブの会話って本当聞き取れないな…。一体何だったんだ今までの英語教育は! というかこの外国人…よく見ると、いやよく見なくてもアイスだ!当たり棒の人だ! この人英語も喋れるんだな。かっけぇ。何かずるい。 突然英語で話しかけられたグレースーツも一体何を言われているのか理解できないらしく、おどおどと慌てた視線で俺に助けを求めてきた。 やめてくれ。俺も分からない。 でもその人日本語話せますよー、と内心で呟く。 遂にいたたまれなくなったのか俺がおつりを渡すとグレースーツはそそくさと出ていった。 とにかく解放された…良かった。 アイスはもしかして俺を助けてくれたのかな? もうアイスって呼ぶことにする。何かルイスって名前あるじゃん、それっぽいし。 「あの、ありがとうございました」 と俺が礼を述べると、 「全然?俺もうっとおしいと思ってたし」 と、明るく返される。 やっぱり日本語喋れるんだよなぁ。 「変なやつも多いから気を付けてね。じゃ、また」 と俺に笑いかけ、アイスは爽やかに去っていった。 あれ?今日はアイス買わないんだ? というか、何も買っていかなかったなぁ。 何しに来たんだろう。
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