ミッドナイトブルー

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本当にこの時間帯は中々に個性の強…以下略。 今度はどんな人でしょうか。 興味ないとか言わないで聞いて欲しい。 日付が変わってちょっとした頃、店に入ってきたかと思うと、商品を買うでもなく真っ直ぐカウンターに来て何故か俺をめちゃくちゃ怖い形相で睨んでくる美人さん。 スタイルもよくてウェーブがかった髪は艶があり、ぱっちり二重の目と、ほんのり赤いリップが塗られた唇が色っぽい。何かいい匂いもするし、めちゃくちゃ美人だなこの人。 …こんな顔してなければ。 俺、この人に何かしたっけ。 もしかしたら何回かこの店に来てたような気はするけど、よく覚えていないな。 自分で言うけど接客は丁寧にしてるつもりだし、今までこれと言って大きな問題やトラブルも起こしたことはない。 それとも何か些細なことがこの人の気に触ったのかもしれない。 いずれにせよ、こんな風にガンを飛ばされる理由が分からないのでお手上げである。 「あのー、お客様?何かご用件でも…?」 俺がそう聞いても無視し、眉間のシワをさらに深くして睨みつけてくる。 「こんなののどこがいいの?!ホンット!意味分かんない!」 しばらくの無言の後、謎の美女はそう吐き捨てるとフンッと鼻を鳴らして出口に向かった。すると、 どんっと何かにぶつかったような音が。 美女が勢いよく出ていこうとしたところ、同時に入ろうとしてきた誰かにぶつかってしまったみたいだ。 あぁ、遂に関係のないお客さんにまで迷惑をかけてしまった。何か俺まで申し訳ない気分。 俺何にもしてないけど。
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