ミッドナイトブルー

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「大丈夫ですか」 無表情で淡々と声をかける男性。 ぶつかられた人は…あ、アイスだ。いつもはもっと遅いのにこの時間に来るなんて珍しいな。 顔を上げた美女は一瞬目を見開きカッと顔を赤くさせたかと思うと、何も言わず足早に店を出ていった。 彼女が店を出ると外で待たせていたのかスーツ姿の男性が近寄っていった。…デート中だったのかな。 あれ、グレースーツっぽい。あの二人知り合いだったのか。もしかして同じ会社だったりして。 …というか、結局何だったんだあの人は。 酔っ払ってたのかな。そうは見えなかったけど…それとも、八つ当たりとか?仕事で何か嫌なことでもあったんだろうか。 グレースーツにしろさっきの美女にしろ、みんな働きすぎなんじゃないのか。だからストレス溜まっちゃってるんじゃないの。 アイスを見習って欲しい。学生なのか社会人なのか知らないが、彼はいつも明るく礼儀正しいぞ。 ストレスとか感じさせないし。 そう、彼はいつも明るく礼儀正し…あれ?でも今みたいな態度は初めて見たかも。 「やあ」 いつも通りアイスを手にとって俺に話しかける彼は、やっぱり爽やかな明るい笑顔だった。 …それにしても最近特によく来るようになったなぁ。
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