闇《やみ》

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(咲いたわ――)  さちは、ぱっちりと目を開いた。  それは微かな、本当に微かな香りだったけれど、さちの眠りを覚ますのには十分だった。  辺りはしんと寝静まり、まだ、早起きの小鳥の声さえ聞こえてこない。  けれど、さちには分かる。  もうじき、夜が明ける――
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